令和4年度・灘中学校に合格されたお母様にお聞きしました。– その2- (さくら咲く会 より一部要約・抜粋)
「岡田先生」‥‥『京阪神で灘中学に合格させる大手塾はいくつかあります。一つずつをよく比べてみると,それぞれ特徴があります。お子様の勉強の進度や理解度を管理して厳しくチェックする塾や,わりとお子様の自主性を重んじる塾などです。先ほど言ったように,奨学社から4年生以降の塾選びについて,どこに行きなさいと言うことは一切ありません。どこの塾に進んでもらっても,上位の成績で入って欲しいと思って指導しています。』
「岡田先生」‥‥『最高学年なった時は,指導の厳しい塾に行かれたのですね。』
「お母様」‥‥‥『はい,そうです。宿題をきちっとやっているかどうかや,子どもがさぼっているときに勉強をさせるようにお尻を叩いてくれるタイプの塾に通いました。やればできるのですが,どちらかというと,さぼってやりたくない態度をとることが多かったので,厳しい塾にしました。』
「岡田先生」‥‥『お子様が毎日勉強されている場所は,お家のどこでしたか?』
「お母様」‥‥‥『5年生までは,リビングで勉強していました。高学年になった時は、(リビングだと)私が口うるさく言う時があるので、自分の部屋で一人で勉強するようになりました。』
「岡田先生」‥‥『一人で勉強部屋にいて,真面目に勉強していましたか?コロナの影響もあり,パソコンを使ったオンライン授業は,どんな様子でしたか?』
「お母様」‥‥‥『いいえ,全然していませんでした。私が時々覗きにいいくと,テキストのページが全然進んでいませんでした。それを胡麻化そうとする息子を注意して,バトルになることもありました。』
「お母様」‥‥‥『机の上にパソコンがあるので,無料のゲームをしたり,動画を見たりして勉強をさぼっていることが多かったです。』
「岡田先生」‥‥『小さい頃からゲームを買い与えていたのですか?』
「お母様」‥‥‥『いいえ,うちは小さい頃からゲームをさせませんでした。オンライン授業でパソコンを使うようになってから,パソコンでゲームを覚えたようです。その頃は,Youtubeも隠れて見ていたようです。』
「岡田先生」‥‥『では,テレビはどの程度見られていたのですか?』
「お母様」‥‥‥『(小さい頃からゲームはさせませんでしたが,)テレビは小さい頃からよく見せていました。好きな番組を録画して,アニメなどを見ていました。』
「お母様」‥‥‥『高学年になったら,大人が見るドラマも見ていました。きちんと勉強してから見るのだと怒らないのですが,だらだら見ている時は,(私が,もの凄く怒って)テレビのコードを引き抜いて,こんなテレビがあるからダメなの!!と言って,全く見せなくしたこともりました。』
「岡田先生」‥‥『高学年になっても,テレビを見る時間があったというのは,むしろ余裕を持っておられたからではないのですか?』
「お母様」‥‥‥『いいえ,逆です。子ども自身,自分でするべきこと(塾の課題)は,わかっていたのだと思いますが,やりたくないので,テレビを見ることに逃げたのだと思います。』
「お母様」‥‥‥『いろいろ迷う時期もありましたが,低学年から奨学社でご一緒させてもらったお母様達のお話も聞かせていただいて,何とか乗り切ることができました。』
「岡田先生」‥‥『灘中学の当日の算数テストの様子について教えてください?』
「お母様」‥‥‥『灘中学の算数の試験は2日間あります。1日目は努力して積み上げてきたことを発揮できる問題が多く,いかにスピーディーに解くことができるかがポイントです。2日目は初見の問題で,深い思考力を試される問題が出ます。うちの子は,低学年から奨学社でじっくり考える思考力をつけさせてもらっていたので,2日目の方がよくできたようです。』
「岡田先生」‥‥『低学年のうちからこつこつと,ゆっくり丁寧に考える姿勢をつけてもらうことが大切です。まだ時間のある低学年だからこそ,この思考力を養えることができるのだと考えています。教室生の皆様も,灘中学の2日目のような算数問題に強くなるように,思考力をつけてもらいたいと思います。』
「岡田先生」‥‥『先日,灘中学で行われた「1日参観」の様子について教えていただけませんか。』
「お母様」‥‥‥『「1日参観」は,どのクラスの何の授業を見てもいいのです。いちばん印象に残っているのが,生物の先生が仰ったことです。それは,「6月くらいまでは,授業の代わりに,灘出身の先輩たちの働く場所に実際に行って,自分の目で体験してきて欲しい。(インターンシップようなものとお考えください。)どんな業種でも灘出身の人が活躍しているから,遠慮なく興味のある分野のことを先生に伝えて欲しい。私(生物の先生)が灘の先輩たちに連絡するから,実際に活躍している人たちの生の声を聴いて,その人たちと話をしてきて欲しい。」でした。』
「お母様」‥‥‥『今までは,灘に合格するために与えられたことを こなすことに全力で努力してきましたが,これからは自分の興味のあることに対して、自分自身でその道を全力で切り開いていって欲しいことを仰いたかったのでした。』
「お母様」‥‥‥『海外で活躍している卒業生も含めて連絡を取って,そのお手伝いをしたいと言われたことには,私自身すごく感動しました。本当に自主性を重んじられる学校だなあと感じました。』
「岡田先生」‥‥『灘の凄さを感じますね。今後の灘中学でのテストの成績についてはどのように話されましたか?』
「お母様」‥‥‥『ここでも子どもの自主性を重んじられているなあ。と感じました。各テストの平均点くらいしか知らされないようです。同じ進学校でも,お友達から聞いた洛南や西大和のやり方とは違うと思いました。』
「岡田先生」‥‥『今までの話で,この灘中学に憧れを持たれた方も多いと思います。5月に灘の文化祭があります。教室生のみなさんは,実際に学校の校門をくぐって,自分の目で灘中学校を見てこられたらよいと思います。』
「岡田先生」‥‥『本日はいろいろと貴重なお話をお聞かせくださいまして本当にどうも有難うございました。』
「お母様」‥‥‥『こちらこそ,有難うございました。』